・ALSの検査が気になる方
・自分がALSじゃないかと不安な方
この記事を書こうと思ったのには3つ理由があります。
1つはせっかくお金と時間と痛みという代償を払ってきたことなので、それを残したいということ。
2つ目は、ネット上で真偽が分からないALS情報が溢れているので、医師に聞いた信頼性が高いことを載せることに意味があると思ったからです。
そして最後に、最大の理由として、今自分がALSなんじゃないかと心配で人生八方塞がりなあなたに、少しでも貢献したいからです!そのような方には、最後の方だけで良いので是非読んでほしいです!同じ苦しみを味わったからこそ、助けになりたいのです!
受診までの経緯(筋肉のぴくつき)
去年の年末に熱を出して、それからずっと咳が続いたり、謎の胸の圧迫感が続いたりと良くわからない体調不良が続いていました。
そしたら、今年2月末に再び発熱してしまいました。内科に行って抗生剤をもらったので熱はすぐ収まったのですが、謎の前身の筋肉痛が始まったのです。
サッカー経験者で足の筋力はかなりあり、あまり筋肉痛にならないのですが、この時は経験したことないくらいの痛み(極力歩きたくないレベル)が発生し3日ほど続いて治まらなかったので再度内科を受診して筋肉の炎症を抑える薬をもらい、4日後には痛みは完全に治まりました。
で、問題はここからです。
痛みが治まったと同時に、明らかに前身の筋力が衰え、同時に全身の筋肉のピクピクが始まりました。
最初ピクピクが始まったのは鳩尾のあたりで、食後やストレスが影響した胃痙攣かと思ったのですが、徐々に全身に広がっていき、何もしてなくても勝手にピクピクするようになっていったのです。
筋力の方も、明らかに階段を上るときに足に疲れを感じたり、電車でつり革を持つのも大変なくらい腕も足も筋力が落ちていました。
流石に怖くなったのでネット検索してみると、ALSという恐ろしい病気が出てきました。
筋肉のピクつきも、筋力の低下も当てはまっている。
不安になった私はネット検索しまくってしまい、結局どんどん不安になるだけで、負のスパイラルに。
「自分はALSかもしれない」「あと数年しか生きられないかも」「将来は何もできなくなってしまう」そう考えると毎日めちゃくちゃストレスでした。
ですが、このままでは何も解決しないので、思い切って発熱時受診した内科医に症状と心の状態を伝え、多摩総合医療センターという脳神経に強い大きい病院への紹介状を書いてもらいました
多摩総合医療センターでの受診
まずは診察
多摩総合医療センターの初診を受けたのは、紹介状をもらってから約1週間後の4月某日。
大きい病院だと2か月くらい予約取れないなどの情報をネットで目にしていたので、かなり早く予約をとれたなという印象です。
この日は自分の症状とALSではないかという心配事を伝え、その場でできる検査(腱反射など)や血液検査を行いました。
担当の先生はALSなどの神経難病を多数経験している女医の方で、しっかり話を聞いてくれてちゃんと見てくれましたし、質問にも丁寧に答えてくださいました。
診察の終わりに、次回の検査の予約と、その結果報告の予約をとってくれました。
会計は7000円くらいかかったので初診だとしても高い感じしますが、しっかり対応してもらったので満足しました。
また、初診ということと、血液検査もしたこともあり、11時予約して終わったのは13時でした。待ち時間は長いですが、想定より早く終わりました。
いざ脳神経検査へ
まずは中ボス神経伝導検査
診察から約2週間後、雨が降る中多摩総合医療センターの隣にある神経病院に行きました。
最初は神経電動検査を行いました。体に電気を流して、神経が正常かどうかを見る検査だそうです。
私の場合は、左半身の腕と脚の2箇所検査をしました(症状に左右差がない場合は片方で十分とのこと)。
電気をどんどん大きくしていくので、確かに痛いのですが、全然耐えることができる痛みでした。痛みより電気が流れてビクビクしている自分の手足の感覚の面白さが勝ってました( ´∀` )
電流Max時の痛みを例えていうなら、輪ゴムで軽くバシバシ弾かれてる感じ?
ちなみに担当してくれた先生(診察時とは別)はとても温厚で丁寧な方でした。
ボスキャラ筋電図
それが終わったら、次は筋電図の検査をしました
ネットで「トラウマになるほど痛かった」という感想を見ていたので、めちゃくちゃビビってました笑
実際は…痛い!
筋肉に針を刺し(注射針より細い)、しかも動かされるのでめっちゃ痛い!
さらに針を刺した状態で1分くらい待つし、刺したまま「力比べねー」とか言って全力で力入れなきゃいけないのでますます痛い!!
でも、正直トラウマになるレベルではないです。何度もやりたいとは思いませんし、検査中は早く終わって欲しかったですが、必要になればまたやってもいいと思えるくらいです。金玉に衝撃を受けて悶絶する方がよっぽど痛いです。
私は左腕3か所、左太もも、左足の脛の計5か所行いました。針を刺すときに一番痛かったのは太ももで、力を入れるときに一番痛かったのは脛です。腕は比較的大丈夫でした。
筋電図も技術専門の先生がいて、愛想が特別良いというわけでもないですが、すごい経験豊富で、テキパキ検査してもらいました。後で聞いたところ、色々な難病を見てきた凄腕の先生らしいです。
結論、筋電図を受けるときは痛みを覚悟しよう!
小ボス肺活量検査
管を口に咥え、最大までゆっくり吸って最大までゆっくり吐くを繰り返すのと、最大までゆっくり吸って一気に思いっきり吐くという2種類行いました。
痛みは0ですが、結構疲れます。
でも、筋電図を耐えたので、向かうところ敵なし。
ちなみに以上の3つは同じ大きな部屋で行い、合計1時間40分くらいかかりました。
雑魚キャラMRI
MRIは着替えてただ20分くらい寝てれば良いです。
今回筋電図をしたことで、MRIやCTのありがたみがよくわかりました。
この日の会計は、4種類の検査で約15000円でした。
運命の結果報告
それから約1週間後、多摩総合医療センターでの再診。
結果、血液検査も筋電図もMRIも呼吸器検査も何も以上はなく、ALSをはじめとする神経難病や、他の脳神経にかかわる病気も認められないとのことでした。
まじで良かった~
時間とお金と痛みを代償にしてでも、行って良かったと心の底から思います!それだけ心の負担が無くなりました。
10時再診予約していて、(電車の遅延もあって)9時59分に着き、病院から出たのが10時40分でした。もっと待つかと思いましたが結構はやい!
会計も結果報告だけなので230円だけでした。
ALSなどの難病をたくさん見ている脳神経内科医に聞いたこと
ALSの初期症状でも検査で分かる?
ネットだと、ALSの診断は難しいと書いてあるのですが、実際はどうなのでしょうか?
先生の解答では、「筋電図を行えば初期段階でも、ほぼ確実に分かる」とのことでした。
というのも、筋電図検査はALSの確定診断に使われる信頼性が非常に高い検査だそうです。
また、「ALSの初期段階だとしても、神経に何かしらの異常があるので、それは(ほぼ)確実に筋電図検査で所見として出てくる」と仰っていました。
「ただ、確かに筋電図検査ができない病院だと、ALSを診断することは非常に難しい」とも仰っていました。
球麻痺型でも筋電図の意味はある?
ALSには手足から始まるタイプと、のどや呼吸器から始まるタイプ(球麻痺型)があります。
筋電図では腕と脚を調べましたが、のどや呼吸器は調べることができません。
では、のどや呼吸器から始まるALSの診断は筋電図でできるのでしょうか?
答えとしては「できる」そうです。
「のどや呼吸器などの一部の部位から始まり、他の部位の感覚が正常でも、実際には全身に神経の障害が起きているから、球麻痺型でも筋電図検査で分かる」という旨を仰っていました。
今回の教訓
今回、先生に話を聞いて、筋電図検査が行えれば、どの部位から始まる初期のALSでも、ちゃんと診断が可能ということが分かりました。
もし気になる症状(筋力低下や筋肉のピクピク)があるなら、ネットなんか見ないで、早急に病院に行きましょう。
病院は脳神経に定評のある大きい病院(もちろん筋電図検査があるとこ)をオススメします。
ネット検索は時間とメンタルを削るだけです。絶対にやめましょう!!
早く検査して、もし陰性ならすごく安心できますし、仮に陽性でも早期発見によって健康でいられる期間が長くなります。
病院で精確に診断できるのだから、ネット検索せず、ALSの気になる症状があるなら速やかに大きな病院へ行って検査してもらうのが重要!
これが今回学んだ教訓です。
まとめ
- 筋電図検査を行えば、ALSは初期でもちゃんと診断できる
- 筋電図検査は痛いけど、トラウマになるほどではない
- ネット検索は絶対にしない!!!ストレスでますます体調悪化する
- 気になる症状があるなら、速やかに筋電図検査できる大きい病院を受診することが身体面でも精神面でも重要!!
ALSは本当に恐ろしい病気です。今回の件で、自分が生きていられるのは本当に素晴らしいことだと身をもって体験しました。