こんにちは、Unoです。最近奥多摩に日帰りで行きました。
いつもは書籍を取り上げているのですが、今回は僕のお気に入りマンガ『ざつ旅』(石坂ケンタ)で奥多摩を取り上げていたので、マンガに関連するだろうと思い記事にしてみました。
基本自分の旅行記を綴ることになるのですが、奥多摩に行く際の参考にしてもらえると嬉しいです。
旅程
僕は都内に在住しているのですが、奥多摩に行ったことがありませんでした。というのも、失礼ながら奥多摩は何もない場所だと思っていたからです。
しかし、『ざつ旅』という漫画(の4巻)で「鈴ヶ森ちか」という主人公が一人で奥多摩を旅しているのを見て、僕も行ってみたくなり、その衝動に駆られて出かけました。なので、道順は『ざつ旅』とほとんど同じです。
旅程をざっとまとめると
青梅駅→(電車、青梅線)→鳩の巣駅→鳩の巣渓谷(徒歩)→数馬の切通し(徒歩)→もえぎの湯(温泉)→奥多摩駅→奥多摩湖
という流れになっています。
「青梅駅」からだんだん景色が変化
11時頃に青梅駅に到着!

この青梅駅あたりからだんだんと山が多くなってきて、「東京の外れの方に来たなー」と実感します。
しかし、これはまだ序の口。これから鳩の巣駅(奥多摩駅の2つ手前)に青梅線で向かうことになるのですが、その電車内から見える景色、特に沢井駅以降の景色は圧巻でした。
「鳩の巣駅」から旅スタート!!
電車に揺られること約30分。ついに観光の出発地点「鳩の巣駅」に到着!

非常にのどかで綺麗な場所でした。特に周りを雄大な山に囲まれていて、その景色は圧巻の一言。東京だというのが信じられません。
鳩の巣駅は画像の通り大きな駅ではなく、木で作られた昔ながらの、それでいて綺麗な駅でした。一緒に降りたのはだいたい10人程度で、ほとんど人もいなくて静か、しかも天気は晴天、気温も最適。最高のコンディションからのスタート。
これから鳩の巣渓谷へと向かいます(写真の左手に向かう)。
「鳩の巣渓谷」美しい自然に魅せられる
鳩の巣駅を出発すると、下に降りる階段が見えてきます。これを降りると、かつてこのあたりに宿がひしめき合っていたのか、今は(恐らく)廃墟となったそれがたくさんありました。
なんとなく世紀末感を感じさせるような道で、このあたりから水の流れる音が聞こえてきます。

それもそのはず、この階段を降りるとすぐに滝が見えます。

規模は小さいですが、写真で見るよりも落差があって、その音が心地よい。しかも周りに人気はまったくないので、滝を独り占めすることができました。
そんなこんなでさらに階段を降りると、今度は神社が見えてきます。

その名も「玉川水神社(水神宮)」。世紀末感がある階段を下ってきたので、突然現れる古びた神社がその感覚を増幅させ、さらに過去の日本へトリップしているかのように感じます。
この神社は当然小さいのですが、上の画像5の通り(社まで)上ることになるので意外と大変。特に女性の方は手袋などしていった方が良いかもしれません。上るために岩に手をかける場面があったので。しかし、大変とは言えど社まで行く価値は高いです。絶対の上ることをお勧めします。なぜなら、上った先から見える景色がもう最高だから。

晴れ渡った空、雄大な山、黄緑色や薄いピンクに色づいた木々、神社の社、桟橋。そして画像6には少ししか写っていませんが、下には渓流を望むことができます。
この一枚に奥多摩の自然の全てが詰まっているといっても良いかもしれません。とにかく壮大な自然を望むことのできる最高の場所です。
神社の光景の余韻に浸りつつ、この後はしばらく渓谷を進むことになります。
その途中で、先ほど神社から見た(画像6)吊り橋を渡ることになります。(ちなみにこの吊り橋の前にカフェがありましたがあいにく閉まっていて入れませんでした…)
この吊り橋の前には1度に通行可能なのは5にんまでという看板があります。まじかよと思いつつ、進むとマジできしむ。めっちゃ揺れる。しかも橋の支えはさびてるし蔓が巻き付いている支えもある。一人しか通行していないのに地震でも起きたかのように揺れます。下は渓流で落ちたら危険な高さです。そんな高所で橋が揺れるスリルを味わうことができます。団体でいったらもっと面白そうです。

吊り橋を渡り切ると、岩道に出ます。

渓谷だけあって岩がたくさんあり、その上を歩いていくので非常に不安定です。僕は自分が普段大学に履いていくスニーカーでいったので(服も同様)、足の裏が若干痛くなりました笑
もし渓谷に行くのであればせめてランニングシューズとか、少しでもスポーティーなものや厚底で安定した靴で行く方が良いかもしれません。とはいっても、スニーカーでも進むのに支障はありません。
しかし、女性の場合はちゃんとした靴で行くことをお勧めします。渓谷ではまばらに人がいたのですが、その中に外国人のカップルがいました。そのカップルとすれ違ったのですが、彼女さんは岩の道を進むのに非常に苦労していて、段差の都度立ち止まり、顔が登山中の様相でした。
”普段運動などをしていない女性”だけで行くのは少し難しい印象を受けます。
とはいっても渓流のせせらぎが聞こえ、あたりは非常に涼しいので、足元のきつさはありますが歩いていてとても気持ちの良い場所です。とりあえず渓流が綺麗。

しかしその岩道を抜けると非常に楽です。森に入り、地面がなだらかになります。
左手には森、右手には渓流がありとても落ち着く場所です。途中に休憩所もあるので、そこで読書でもしたら最高の気分になれそうでした(時間の問題でやりませんでしたが)。
特に渓流の流れる音がとても心地よい。



この林道を抜けると、ダムがあります。

このダムがどうというわけではありませんが、貯水池が翡翠のような色で、山とのコントラストが非常に美しい様相を呈しています。

「数馬峡」は手軽に美しい光景を見ることができるスポット
自然に見入ってしまい、ここまででかなり時間を使ったのですが(約1時間程度)このダムを通り、さらに林道を進むと「数馬峡」が見えます。
この橋から見える渓谷の景色が先ほどの神社で見たそれと同等かそれ以上の美しさを持っています。この橋のすぐ近くに駐車場があるので、車やバイクで来られる方はこれまで辿ってきた大変な道を経ることなく、気軽に美しい景色を見ることができます。


「数馬の切通し」は大変だ…
さて、今まで渓谷の道をずっと進んできたわけなのですが、ここで橋を渡り国道に出ます。この国道を進むと「数馬の切通し」というスポットがあります。
『ざつ旅』のコラム(?)でこの数馬の切通しが紹介されていたのでぜひ行きたいと思ったのですが、入り口が全く分かりませんでした。
国道のトンネル前の左側に通通り道があるのでその道を行けばよいのかな?と思い進んだのですが、そこには岩石のトンネルしかなく、数馬の切通しはありません。

どうしてもグーグルマップだと入り口が分からないので、この岩石トンネルの右手にある「沢」(現在水が出ていない)から自力で登ることにしました。どうしても行きたかったので。
しかし、この沢を登るのがめちゃ大変。急勾配だしボルダリングしなきゃいけないし、手やスニーカーは汚れるしで最悪でした。女性が登るのはまず無理でしょう。男性も結構きついと思います。
この沢を登りきる(最後木製の小さな橋のところに出ます。ここに岩壁があってこれをボルダリングする必要があります。壁自体は低いですが、コケが生えているので手や服が汚れます)とすぐ近くに看板がありました。

ここに地図があるのですが、当然僕が登ってきた沢は正規ルートではありません。絶対にマネしない方が良いです。しんどいので。
正規ルートはトンネルの右手側にいって、そこの斜面を登って行った先にあります。グーグルマップを使うのであればトンネルのある所から「十一面観音堂」を目指していけば、途中で数馬の切通しを案内する看板があります。そこが正規ルートです。
この数馬の切通氏ですが、ここに小さな神社があります。

誰もいないので、静かで涼しくて眺めも良くて良い場所です。本来ならば。しかし、ここまで来るのが大変すぎたので個人的な印象は微妙でした笑
しかも「切通し」だからここを抜けてトンネルの向こうに行くことができるのかな?と思ったら、それが見当たらなく、泣く泣く引き返しました(今度は正規ルートを戻りました。ここで初めて本来の行き方が分かりました。)。
数馬の切通しは個人的にはお勧めしません笑
「山城屋」のわさびが欲しい!
そんなこんなで再び国道沿いを歩いていくことになります。
そして「海沢大橋」というところを渡って(道路なので渡ったというより通ったという印象)、再び国道から外れます(といっても先ほどまでの林道ではなく車道です)。
この車道を行くと、もえぎ橋を通り抜けて「山城屋」というわさびを取り扱うお店に辿り着きます。

『ざつ旅』でここが紹介されていたので、もともと訪れるつもりでした。店内にも『ざつ旅』で主人公の鈴ヶ森ちかが訪れたというような記事が掲載されていました。
店内は小さいのですが、人が結構来ていたので人気店なのだと思います。
生のわさびも販売していました。わさび漬けやわさびふりかけ(僕はこれを買いました)など、わさび関連の商品が大量にあるので、わさびが好きな方にはたまらない場所でしょう。駐車場もあるので、是非訪れていただきたいお店です。
「もえぎの湯」で一休み
山城屋を出ると、先ほど通過した「もえぎ橋」に戻り温泉を目指します。
もえぎ橋は結構綺麗な橋で、最初に通った吊り橋(画像7)よりも安定して安心感が違いました笑

この橋を渡り、右手に行ってトンネルを通ると、お目当ての「もえぎの湯」が見えてきます。もえぎの湯の入館がだいたい14時でした。
(もえぎの湯の写真撮るの忘れました…)
料金は入館料で950円と中々のお値段。また、ここが重要なのですが、
タオルは借りることができません。購入のみです。
これを知らずに「かさばるから」という理由でバスタオルを持っていかなったのでフェイスタオル2枚で何とかする羽目になりました…
ちなみにバスタオルは650円で購入できるといわれましたが、流石に高いしこの後もっと行くわけにもいかないので買いませんでした。
温泉はシャワーが7個程度で、中に大きい温泉1つ(半分が泡ぶろとジェットバスがあり、もう半分が普通のお風呂と分かれているタイプ)と、露天風呂1つという構成です。
露天風呂は周りを木に囲まれていて、遠くの山を見渡すことのできるような、とても良いロケーションにあります。ですが、温度は若干熱め。のぼせました。
風呂から出て、遅めの昼ご飯。焼き鳥丼950円を頼み、休憩所でいただきました。焼き鳥丼には小分けに切った焼き鳥ではなく、焼き鳥1本がまんま3本入ってその上にわさびが付けられていました。ごはんにもタレがしみ込んでいておいしかったです。
また、休憩所は人も少なく落ち着いていて、景色が良いので最高の昼食をいただくことができました。

「奥多摩駅」に向かう
もえぎの湯ですっかり体を癒せたので、最終目的地に向かいます。
もえぎの湯を出るのが15時20分ほどだったので、「日原鍾乳洞」か「奥多摩湖」のどちらか一つに行くことができたのですが、『ざつ旅』と同じ奥多摩湖に行くことを選択しました。
奥多摩湖にはバスで行くのですが、このバス停は「奥多摩駅」のすぐ目の前にあります。

15時30分発のを乗り過ごし、次のが16時10分発のバス(バス停は奥多摩駅のすぐ目の前)であり、もえぎの湯から奥多摩駅までは10分程度で移動できたので、時間が余ってしまいました。
なのでその暇な時間は奥多摩駅周辺を散策したのですが、意外と何もない笑
しかし、「奥氷川神社」と良い雰囲気の路地を見つけました。


↑3本の気が一本のしめ縄で結ばれているのが珍しいですよね。しかもハート型。

↑建物がひしめき合ってよい雰囲気の路地。もう使われていなさそうな建物から宴会を開いている声が聞こえた居酒屋、綺麗な個室トイレなどがありました。
ついに「奥多摩湖」へ!
そんなこんなで時間をつぶしてバスに乗り込み、いざ最終目的地「奥多摩湖」に向かうことに。
バスに乗ってて思ったのですが、バス停の間隔が短く、だいたい1分もせずに次のバス停につくような感覚でした。
そしてバスに揺られること約20分。奥多摩湖というバス停で降り、そこで巨大な奥多摩湖を主体とする実に美しい光景を目にしました。時間帯も良く、本当に綺麗でした。



バス停奥多摩湖の左手側(画像28の二つの建物があるところの道)を通ると、御岳山に登ることができます。実際に山頂(?)に登るとこんな景色を見ることができます。

このほかにも「いこいの路」という道があったのですが、残念なことに封鎖されていました。
画像28と画像30に写っている二つの建物は展望台で、16時までしか入れないとのことでした。
なので奥多摩湖の素晴らしい景色を見ることができたものの、他にはやることがありませんでした笑
なので1時間程度の滞在で17時24分のバスで奥多摩駅まで帰りました。
次のバスが19時頃まで来ないという仕様。これに乗り遅れると本当に何もすることがなく暇になってしまうので笑(ただ、2023年の3月25日あたりにダイヤが変更されるそうです)。
というわけで奥多摩駅まで戻ってきたのですが、ここでも一つ驚くことが。
奥多摩駅と聞くと、田舎の駅だからトイレも汚さそうな先入観があると思うのですが(実際僕はそうでした)、トイレがめっちゃ綺麗。奥多摩駅を出て左手側にあるのですが、マジで綺麗。
駅のトイレ清潔度でナンバーワンじゃないかってくらい綺麗でした。
まとめ
今回は『ざつ旅』(石坂ケンタ)4巻の奥多摩旅行を模倣しての一人旅でした。
奥多摩は自然が非常に豊かで美しく、気候も優れていて、それでいて人がほとんどいない上に温泉まであるので「癒し」を求めて出かけるには最適な場所だと感じました。
特に鳩の巣渓谷では、美しい自然を見ることができて(視覚)森の香りが感じられて(嗅覚)渓流の流れる音によって落ち着き(聴覚)カロリーメイトを食べながら(味覚)歩いた(触覚)ので、五感の全てが刺激される素晴らしい場所でした(味覚はこじつけました笑)。
また、旅の最後にトイレに感動するのもどうかと思いますが、そんなこんなで『ざつ旅』奥多摩模倣旅行は終了。一人旅ならではの寄り道も楽しかったです。

この記事を読んで奥多摩に行きたくなったら書き手として非常に嬉しいです。
一人旅をしたい方や、日々の物質世界での生活に飽きている方、精神的に落ち込んでいる方がいらっしゃれば、是非行ってほしい!絶対後悔しないと断言できます。
それではここで終わりたいと思います。ご覧いただきありがとうございました!